神戸の旧谷崎邸

 前日にちょっとだけ時間があったので、神戸の住吉川沿いにあるという谷崎潤一郎の旧宅「倚松庵(いしょうあん)」を見に行ってきた。

「見に行く」といっても住吉川沿いを天気のいい、暑いぐらいの秋晴れのなかてくてくと歩いていったら開館は土・日曜日のみということで、門の前にたたずむのみとなった。庭にざくろの木が植わっていて、ちょうど実がなっていたが(谷崎邸にざくろなんて、できすぎだなぁ)などと思いながらいっとき眺めていた。

 今は住吉川沿いに六甲ライナーという鉄道が走っていて、景色が大きく変えてしまっている。それ以外はいい雰囲気のまちなのだが。

 あとで調べると谷崎は神戸でも何度か転居しているそうだが、そのなかで唯一の持ち家だったという旧邸が近くにあったそうだ。「鎖瀾閣(さらんかく)」という。「岡本梅ノ谷の家」とも言われるらしく、住吉からそんなに離れていない岡本にあった。阪神淡路大震災で倒壊した。

 復元の計画が以前から進められているが資金がなかなか集まらず計画継続中であるらしい。WEBサイトがあるが、場所ははっきり書かれていない。最近よく私が乗り降りする、阪急岡本駅の山側のどこかが現地であるらしいがよく分からない。時間があれば岡本駅付近の山手側も散策してみたい。