幻のお好み焼き

 梅田でお昼となった。

 少し前に神戸に出張の際、梅田の地下でお昼を食べようとして店が見つけられなかった、ということを書いたことがあったが(変わりゆく梅田地下 - 椋箚記)、今回阪神百貨店の地下食料品売り場、スナックパークがあったじゃん、と気がついた。

 名物いか焼きを並んで買い、続いて讃岐きしめん讃岐うどんは別にあったが、なぜか平打ち麺にそそられて)でぶっかけを買って、いずれも立ち食いした。当面は阪神百貨店の地下か、新梅田食堂街だな。

 いか焼きをぱくつきながら思い出していたのが、今はもうない今里のお好み焼きや。

 ちなみに今里は鶴橋から近鉄奈良線で一駅東隣のまち。

 ここに「ジョイフル」という美容室がある。もともと父親が「ジョイフル」のご主人と仕事がらみで知り合ったのが遠い昔、私が幼かったころ。私はものごころついてしばらく以降、社会人になって何年かまでここで髪をカットしてもらっていた。

 で、ここの隣に小さなお好み焼きやがあった。客席はなく、買い食いできる店だった。おばあちゃんがひとりで焼いていた。白色トレイにのせて、二つ折りにしたお好み焼きを出してくれる。見た目がちょっと阪神百貨店のいか焼きに似ている。味はあくまでもお好み焼き。これがとにかくうまかった。

 カットにいった時におごってもらったのが最初だが、そのうち自分で買って食べるようになった。値段は100円か200円だったかと思う。安くておいしかった。

 残念ながら数年で店をたたんでしまい、そのあとにクレープ屋が入ったりしていたが今はどうなっているか分からない。「ジョイフル」はそのころ今里駅前に2店舗あったが、駅に近い方の店舗に集約した。私も東京に来て、余計にその辺りの様子が分からなくなった。

(ちなみに東京に来る直前、店舗集約後の「ジョイフル」に挨拶に行っている → 今里のミンミン-椋箚記

 幻となってしまったお好み焼きを思いながら、阪神百貨店をあとにしました、とさ。