椋箚記

主に合気道とまち歩きについて

ひとをまきこむちから

 同じ「マチともの語り」で作品を書かれている楠知幸さんと、お住まいの益田でお会いすることができた。

 島根県の益田というまちは山口県との県境にある。私の実家のある須佐という土地は現在萩市になっているが、商圏としては益田市に近いところがあり、実際よく買い物に行ったり食事に行ったりする。私の先祖(姓が椋の一字でむくのき、と訓ませる)も詳細は分からないながら、関が原の合戦後毛利家が領地を縮小された際に主君(益田氏)に従って須佐に移った陪臣と言われているので、起源は益田にあるといえなくもない。

 ただ、買い物に行くのもパターン化してしまうもので今回待ち合わせした店は初めて知った。かくして冒頭の写真のようなおしゃれな店を知ることとなる。「日々食堂」といい、益田駅の北西あたりの住宅地のなか、スーパーマーケットのキヌヤの向かいにある。通常ここら辺は国道9号線で行き過ぎてしまうところで、キヌヤがあることはもちろんこんな店ができていることも知らずにいた。「RIMOS」という家具などの製造ガレージが隣接している。「日々食堂」の内装もすべて「RIMOS」でつくったもの、と聞いた。アンティークな家具や雑貨のショップとカフェとなっている。

RIMOS-PRODUCTION
日々食堂

 この店で、ランチプレートだけで実に4時間、初対面の楠さんと私はしゃべっていた。

 一番盛り上がったのはiPhoneでこんなことができたら面白いな、という話だった。私のiPhoneをだしにしてアイデアを出したりしていた。

 アイデアの詳細は「マチともの語り」のなかで具体化してみたいと考えているのだが、その中で楠さんの「ひとを巻き込んでいく」いきかたに感心していた。

「日々食堂」の女の子を「ちょっと、意見聞かせてよ」と言ってカウンターの中から呼び寄せて、iPhoneでこんなことができたらどうだろう? イメージしてみて! と聞いていく。このあと「モヌッカ」というパンやさんに場所を移したが、そこでも同じように意見を求めていた。

 ちょっと思い出したのが中谷彰宏さんの本でタイトルは忘れたが「プレゼンではお茶を入れてくれる女の子を味方につける」みたいなテーマの一文があった。会議室にお茶とかコーヒーを持ってきてくれた時に「ねぇこれ、どうおもいます?」みたいに引き込めたらお偉いさんまでも引き込むことができる、というようなことが書いてあった。楠さんはそういうことがテクニックでなくできるのだなぁ。

 RIMOSのオーナーさんと話していたとき、オーナーさんが「益田近辺で活動しているひとたちで、会社じゃないけど緩やかな共同体ができていて、その中で仕事を回しあえるようになったらいいな」というような話をされた。でもそういう共同体には、コーディネーターが必要になる。まずだれがそのコーディネーター出来るだろう? という話でオーナーが「楠さんやってよ」というとすかさず「俺は書きたい」と返していた。でもそう言われてしまうくらい、ひとを結びつける感性を持たれている。

 余談だけどやっぱそのコーディネータというものは個人の力量とか犠牲のうえではなく、組織として運用できて、お金の流れを作れるようであってはじめてちゃんと動くのだろうなぁ、と感じた。













 ベビールースの落下

広島、1945年8月6日8時15分、交差する過去・現在・未来


タイトル : ベビールースの落下

著 者 : 楠 知之

発 行 : 有限会社 眺

価 格 : 210円 (税込)





2005年8月6日8時15分に発表された人類史上初となった広島への原子爆弾投下を題材にしたSF短編小説。
ベビールースというのは、原爆搭載機エノラ・ゲイの機長だったポール・ティベッツが、子供の頃に複葉機上から地上に向けて投下したキャンディバーの名前。
彼はその日、パイロットになることを決意したのだった。

「少年の魂の目が自分自身になり、リアルな情景の中でまるで体験しているかの様に錯覚を起こさせる。
簡潔な描写の中にとても大切な何かを伝えてくれる。後に残る印象は僕の心の深く深くに突き刺さっている」…読者のコメント

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