要らない道路

 萩についていいことをふたつほど書いたので、問題点も書いておく。

 萩市の8月1日号の市報に2本の有料道路が2011年までに開通する予定、との記事が載っていた。1本は小郡萩道路。もう1本は萩・三隅道路。

 小郡はつまり新幹線の新山口駅のある辺りのことで、山陽道の山口南出口もある。小郡萩道路は小郡付近で中国道の方から美祢で別れて萩まで行ける道路らしい。帰郷時に新山口駅から萩回りで自動車で須佐に移動した際この道路の建設中の高架を見かけたが、正直(なんでこんなもん、つくるかなぁ)という感想。

 萩など山陰側に旅行者を誘導することを考えているのだろうが、もっと別にお金を使う先があるはず。萩市など街並みを綺麗にするとか、トイレなどの設備を新しくするとか、旅館やホテルに補助を出すとか。一般道にそんなに自動車が通っていないのに有料道路を造れば便利になって人が通るはず、という考えは捨てたほうがいい。いくら萩に観光資源があるといっても、人が出て行ってしまって人がいなくなれば意味がない。

 萩・三隅道路は海岸沿いに西にある三隅までのパイパス。通勤を考えての道路か、長門市方面への旅行者のための道路か(長門といえば金子みすゞの故地で、金子みすゞ記念館もある)よくわからない。市報には「安全性の高い自動車専用道路の整備により、通行規制や交通事故の減少が期待」というお題目が書いてあるから地元のひと向けを意識していそうだが、表面だけでは判断し兼ねる。

 三隅や長門方面の道(国道191号線)は確かに場所によってはくねくねしていているが、そんなに混んでいるイメージはない。使っている人にとってはあれば使うのかもしれないが料金にもよる。またあの道路は日本海の景色が見えてこそのものと感じている。本当に公費を投じてまずやるべき事業なのか、疑問が残る。

市報HAGI 2008年8月1日号(PDF形式4,175KB)

 山口は伊藤博文・山形有朋以来、現在の安部晋三なんぞに至るまで地位権力を持つ政治家を輩出していて、それでなくとも道路が不必要にまで整備されていて金の使い方を間違っている感じを以前から持っている。その道路を私も使っているのだけれど、走りながら(この田舎にきれいすぎる道路だよな〜)などと思いながら運転していたりする。内外に説明がつく公費の使い方を心がけてほしいとおもう。

 私としては山口、というか防長の政治家というと高杉晋作など松門四天王辺りまでしか認められない気がしている。

 前出の金子みすゞのほか中原中也種田山頭火など優れた詩人を生んだ地としての山口が好ましい。自費出版で詩集を出した私の祖父正隆のその末節にぶら下がっているものだとおもっていて、そちらを売りにしてほしいと考えている。

わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集

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