谷中通り
「わがまちまごめ」というわら半紙1枚の新聞が定期的に来る。馬込特別出張所から各戸に配布されている。以前松原橋近くの桜屋敷のことを書いた時だったかにも言及したことがある気がする。
いつも目を通しているのだが、6月1日付け発行の第68号は面白かった。
「環七が谷中通りだったころ」というのが表紙のタイトル。
環七と池上通りの交差点、春日橋陸橋のあたりから新幹線ガード下あたりまで、環七通りが開通するまでは「谷中通り」と呼ばれ、通りのまんなかを川が流れていたのだという。
先日内川流路について書いているなかでも、現在の地名とは別にもう少し細かい町名があったということで「子母沢」という町名を出しているが、他にもある。大森駅から山王を歩いて、弁天池の横を通って環七を渡ると集会所があり「谷中」という名前が冠されている。谷中、と言われると谷中・千駄木・根津を思い出すので最初なぜ谷中なんだろうとおもっていたが、この一帯そういう町名だったのだと改めて分かった。坂をあがっていくと「平張」の集会所があり別の町があったことが分かる。
「わがまちまごめ」はネット上にPDFでアップされていて、68号はまだ公開されていないが下記にいずれアップされるはずである。ご一読頂ければとおもう。
最初に見たときからPDF公開はされていたが、「まごめアーカイブ・プロジェクト」(略称MAP)を見るとさらにまとまってきているような……。個人の運営のようなのだが、このような試みが成立することが東京のまちの強さだろうとおもうし、ネットにおける地域誌の可能性だろうとおもう。
一点内容を先にバラすと、昭和三十一年の谷中通りが映画の舞台になってのこっているとの話。『カルメン故郷に帰る』の木下恵介監督で『夕やけ雲』という作品とのこと。いまはかなりさびしい商店街が、当時は大変賑わっている様子が遺されているらしい。見てみたくなった。
- 出版社/メーカー: 松竹
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