佐藤正久発言の捉え方

安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」という、首相官邸により開催されている会がある。この会合に関連したTBSの取材に対しての発言が、ネット上で論われている。

「「駆けつけ警護」認めるべきで一致」News i - TBSの動画ニュースサイト
(→ウェブ魚拓

※2007.08.24URLを差し替え(http://news.tbs.co.jp/20070810/newseye/tbs_newseye3630843.html→)

 論われているのは先日の参議院選挙で自民党から比例区で立候補、当選した佐藤正久議員の発言。自分がイラクに派兵された陸上自衛隊を率いていた際、もしオランダ軍が攻撃を受けたら「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」という状況を作り出すことで、憲法に違反しない形で警護するつもりだった、と述べている。

 これについては憲法違反であり、佐藤正久氏は辞任すべきだ、という声が上がっている。また、日中戦争がなし崩しに始まった経緯との類似点を指摘する声がある。

 私もそのように思うし、辞任されればいいかと思うが、実際にこの発言によってどのように問責されるのか、どのような法理でそうなるのかが良く分からない。なんとなく、このままうやむやにされる可能性が高い現状ではあるかとおもう。

 そして、比例区選挙、防衛庁による組織票ということがあれば、このような人物も国会議員になり得る。そういうことは、リスクとして含んでおく認識が必要なのだろう。要は、少数派で居てもらう分には対応できる。変な気を起こしてマスコミまで巻き込んで、大多数であるかのように振舞い出すのが危険なのだ。

 今後の選挙でも投票率が低いと、このリスクが顕在化する。今は分かりやすく、自民党が「戦争をしたい、軍隊を持ちたい」ということを美辞麗句に包んで主張していると考えていい。だから佐藤正久氏を議員の一人に擁立したと解釈すればよい。投票率が低いと、組織票に強い自民党が勝つ目が出てくる。軍隊保持が推進される。我々や、我々の子供が戦場に行く可能性が増すのだ。

 だから、佐藤正久議員が自民党のある側面を代表すべきだという認識を新たにしておくこと、選挙では必ず投票することを覚えておけば、本件は良いのではないかと自分などは思っている。