於吉奈我河考2

 中九兵衛さんから、近著『於吉奈我河考(おきなががわこう)2』(実際はローマ数字の2である。機種依存文字のため、通常の数字で表記)と小学生向けにつくられた『ジュニア版 甚兵衛と大和川』をお送り頂いた。前者は「大和川叢書」の第一弾として自費出版された『於吉奈我河考』の続編として書かれている。『於吉奈我河考』は万葉集に歌われている「於吉奈我河(息長川、おきなががわ)」を現在の今川に同定する説への反論として書かれたものである。

 その後、「今川」説の郷土史家、三津井康純さんから反論が出されており、それに対する「平野川」説側からの再反論として、書かれている。

 さて、私は丁度1年前(検索して本当に1年前の7月6日なことに気が付いて、余計に忸怩たる思いがした)『於吉奈我河考』を頂き(→「於吉奈我河考(中九兵衛氏著)」)、それをきっかけに「マチともの語りのサイトを使って、大和川叢書を拡張できないか」ということを考えて実際に行動に移していた(→「大和川叢書をつくりませんか」)。

 だが結果としては何一つ成果は出せておらず、非常に申し訳ないことになっているのだ。中さんには、取り急ぎお詫びのお手紙を書くしかなかった。

 現時点で電子書籍というものが需要を得ておらず、そうしたことが状況が事態を停滞させているというのが言い訳ではあるが、理由にはならない。現時点では、携帯小説(ケータイ小説ではなく)に可能性を見つつある状況なのだが、そういう背景に捕らわれず、「大和川叢書」として出来ることをデジタルにせよアナログにせよ模索しておけば、この一年後は違ったかもしれない、と考えると自責の念を感じる。