風邪の最後に

 今日は朝乗ったJR京浜東北線が混んでいて、一番ドア側にへばりついていた。ドアは金属だから、ちょっとひんやりする。それがお腹に当たっていて、ひと駅だけなのにお腹が痛くなってきた。私はお腹が冷えるとすぐに腹をこわす。

 ただ、今日はどうも風邪の症状だったらしい。午前から昼過ぎまでトイレとデスクを往復する有様だったが、それが治まるとだいぶ体が楽に感じられてきた。ただし、鼻水と咳がまだ止まらない。

 何度も書くが、野口晴哉さんの書いたものに私はかなり影響を受けていて、そのなかで「風邪の中には最後にお腹を下したり、食べたものを戻してしまう場合もある。それを風邪をひいたうえにお腹までこわした、などと慌てるのは愚かなことだ」というような下りがあった。今回もそんな風にとらえていた。

 鼻水が出るというのは、体内で余り気味の水分がきっかけを得て鼻腔内粘膜から出てくる、とも表現できるし、副鼻空におきた炎症から膿が出て、それが出てくるとも表現できる気がする。お腹を壊すというのは、腸が養分も水分も食べたものから採るのを一時的にやめた、ということになるだろう。風邪の最後にお腹を壊すというのは、体内に水分がだぶつき気味である、ことなのかもしれない。

 いつか、「夏に水分を採り過ぎると、秋以降毛髪が抜けますよ」という話を読んだことがあり、これ以上禿げが進行するのはいやだなぁ、と思うに至った。

風邪の効用 (ちくま文庫)

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