ピーター・アーツに出くわす

 大森駅前山王側に「町田書店」という本屋さんがある。

 最近本の購入冊数が少なくなり、かつそのほとんどをアマゾンで買う私だが、たまにこの本屋では買い物をしてしまうことがある。

 先日も、長男が友達の家で見たスーパー戦隊ものの本を探したとき、駅の専門店街「アトレ」になかったのが町田書店にはあり、買って帰ることができた。

決定版 全スーパー戦隊完全超百科 (テレビマガジンデラックス)

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 本棚が整理されていて、埃をかぶっていつまでも残っている本が並んでいるというようなことがない。棚が空いている、ということもない。アダルト向けの本が幅を利かせることもなく、必要な本は揃っている感じである。イビチャ・オシムがサッカー日本代表に就任後、最初に『オシムの言葉』が平積みされているのを見たのも、この本屋だった。



 甥っ子たちが東京に遊びにきた8月1日ごろ、仕事帰りに町田書店に立ち寄り、『ビジュアル馬込文士村』(株式会社ハーツ&マインズ刊)というムックを買った。『月刊おとなりさん』という地域誌が別冊として、昭和初期に大森付近に作家が多く住んだことをとらえ、そのガイドブックとして出したものである。6月に出てから買おう買おうとおもっていたが、ようやく買った。

 レジでお金を払っているとき、ふと店の前で日本語でない言葉で話しているひとがいるのに気づき、目をやった。背の高いひとたちが、店の前で信号待ちしていたのだが、そのひとりを見て思わず声を出してしまった。



「うわ、ピーター・アーツがおる!」



 店の前で、駅のある側に渡る信号が変わるのを待っていたのは、まぎれもないK−1グランプリ元チャンピオンだった。残念、写真を撮らせてもらえばよかったかな。

 店のご主人は冷静で、「ああ、この隣がK−1の道場ですからねぇ、よく見かけますよ。私らは名前まで知りませんが」と笑っておられる。そういえば、ジャーマン通りを角田信朗さんがジョギングされていることがある、という話を聞いたことがあったのでその話しをすると「角田さんもたまに、おみえになりますね」とのこと。

「K-1の道場」というのは、以前イトーヨーカ堂が入っていた建物内にある(現在ヨーカ堂は大森海岸側に大型店舗ができ移っている)GOLD'S GYMというのがそれであるらしい。東京にきて1年経つが、初めて知った。