高校野球の体罰

 先の高校野球で、始まる前に明徳義塾が暴力行為の隠匿で出場辞退となり、終ってから優勝チームの駒大苫小牧で体罰行為の隠匿で問題となっている。先日書いた、柔道部の体罰で子供が亡くなった淡路島の事件と較べても、よっぽと騒がれているような気がする(「また体罰の話」http://d.hatena.ne.jp/mukunokiy0725/20050803/1123086047 参照)。私は高校野球をちらちらとしか見ていないものだからそんな書き方になってしまうのだろうが、高校生が費やしてきた情熱をおもいやれば、それはそれで取り上げられてもよいとはおもう。

 ところで「at most countable」http://at-most-countable.seesaa.net/ でめたかさんが書いている文章を読んで、ネット上の意見で体罰に肯定的であるものが結構あると読んでちょっと心配になってしまった。(「反抗的な男子には時として「殴る蹴る」も必要?」http://at-most-countable.seesaa.net/article/6303606.html

 上記私のエントリにおけるbantoukojiさんとのコメントのやりとりの中では、体罰はありえない、というのが結論だった。武道というのは稽古自体がぶつかり合いで、合気道においては乱捕り稽古なんかはどつき合いの投げ合いになることもある。剣道なんかでも、防具をつけての稽古なんかもあるがやはり竹刀なり木剣の当たりどころが悪ければ大怪我になることもあるだろう。そういう、より危険なことを普段練習しているところで(だからこそだろうか)教えるうえで体罰をするってどういうこと?という話をしている。

 高校のクラブであっても、それは一緒だろうと感じている。

 駒大苫小牧の件で最も問題だったのは高校が高野連に対して報告をしなかった
点にある断じてよいだろう。よう報告しなかったのは、後ろめたかったからだろうし、体罰を行った部長さん本人も、他の当事者(監督とか、校長とか、教頭とか)も同様だったとおもわれて仕様がなかろうとおもう。人にためらい無く話せるかどうかというのは、自分の行為に対する自信の有無の一番分かりやすいバロメータだ。

 実際に中学生だの高校生だのといった年代のひとたちになにかを指導するような立場にあれば、体罰を肯定するような意見は出ないとおもうのだがいかがなものだろうか。