都知事定例会見

 東京にきて初めて、東京MXテレビでやっている「都知事定例会見」を見た。石原慎太郎都知事の記者との定例会見をノーカットで流すのである。大阪で太田房江府知事の定例会見、なんてものをテレビで見たことはないので、多分やっていないであろう。

 石原さんは歯に衣着せぬ弁舌のひとだから、話も分かりやすい。くだらない、と思った質問にはほとんど答えないぐらいなので丁寧な対応ではないが、現在進んでいる郵政民営化法案について、下記のような話をされたのをきいて、ああ、そうか、とおもった。今なにをすべきか、という実務上のことを考えたとき、確かにねぇ、と感じたのだ。

・国会の議論が薄っぺらくてみてられない
・(薄っぺらい、というのは)郵貯財源をつかって行われた公共事業に不良債権化しているものがあるが、その件について与党も野党も議論していない
竹中大臣はアメリカの手先だ、というようなことをいう国会議員がいるが、ならアメリカ資本にたいしてどう対応すべきか、という議論をする人物もいない
・そういう大事な論点を放っておいて、離島の郵便局がなくなるだのセンチメンタルな話をしているが、なくなる訳ゃない

 テレビニュースを見ている限りメディアも法案が通るか廃案になるか、選挙になったらどうなる、そんな勢力争いばかりレポートしているように見える。私のようにぼうっとしていたら、郵政民営化の重要論点など忘れてしまいそうになる。議会や行政やメディアはそろって国民の忘却を狙っているのだろうか。ニュースの方で石原さんが映ったとおもったら解散総選挙になった際の石原新党の可能性に触れただけで、上記定例会のことなど当たり前のように出ていなかった。石原さんって、分かりやすくて便利なんだけどなぁ(失礼な書き方だけど)。

 定例会見でも石原新党の可能性について質問した記者の方がいらしたが、上記のような勢力争いにいまさら石原さんが興味を向けるはずもないとおもう。都の中で着実に考えを実現していけるのだから。