また体罰の話

 以前、常盤台剣友会という剣道の団体で子供に対する体罰が問題となり、私も取り上げたことがあった。(→「剣道にとっては悲惨な日」という文章を書いたことがあったがいったん非公開化。またこの件は『掃除寺夜話』というブログで継続的に書かれていたがこのブログも消えている。 「常盤台剣友会の事件のこと」 blogs.dion.ne.jp/bantoukoji/archives/472171.html という文章があったが。)

 今度は、中学校柔道部の部員が亡くなる事故が起こった。当初体罰が原因ではないか、という論調の記事だったが、死因を調査した結果は熱中症に起因する心不全で直接の因果関係はない、という報道になっているようだ。(NIKKEI NETの記事などを当時参照)

 合気道でも、大学の合気道部などで死者が出る事故は起きている。私の知っている例では頭を打っての脳挫傷などの例が多いような印象をもっているが、今後熱中症による同様の事件が起こることも想定して合宿などは行わなければならないだろうとおもう(単に給水の有無だけの問題でないようにもおもうので、短絡的にとらえてもいけないのだろうが)。

 それにしても、「気合が入って居なかったので平手で打ったり、足で蹴ったりした」という体罰はあったそうなのだが、体調不良と気持ちが入っていないのを見分けられない人物が指導に当たっていたというのは恐ろしいし、平手打ちや足蹴で気合が入れられるとおもっている柔道指導者が他にもいるのだろうかとおもうと恐ろしい。気持ちが入っていないままで武道武術の稽古などすれば怪我につながるのは必至なので、指導しているものとしては気合を入れようとするのは必要なことである。ただ、平手打ちで気合を入れられるのはよほど信頼関係があるような場合に限られるのではないか。(それかアントニオ猪木さんとか、ね)

 優れた指導者は目線とか、声とか、もしかしたら居るということだけで回りに緊張感を与えられるものだろうとおもう。それができないからといって、小学生や中学生に手を上げてよいはずはない。