久しぶりの大阪市大での稽古
東京に居住しているから母校大阪市立大学合気道部の稽古というと、隔年で関東にて行われる旧三商大戦ぐらいしか参加できていない。大阪に勤務で出かけることがあるが日帰りが多く、道着を持っていく余裕もないため大阪市の最南部にあるキャンパスに行くということもなかなか出来ない。それが久しぶりに時間が出来、かつ合気道部の稽古がある日であったため寄って来た。ちなみに道着は持っていない。
帰りの飛行機の時間があるから最後までは見れない。前半の一時間ぐらい、見た。スーツ姿のままで受け身を取ったり。横から口を出したことをメモしておく。
体の転換
現役生の手を持ってみると「持たれた箇所を動かそう」という感じになっているので手をしっかり開いて結ぶと、結んだ力が指先にくるので指先から導くんだ……という話しをした。まぁ自分が強く持つので、普段できていてもそんなに持たれたらいつも通りできないとかあるかもしれないけれど。
指先から導くということを本当に感覚的につかめたのは二十歳台の頃の羽曳野古市道場の稽古でのことだった。大阪府立大学だったか京都府立大学だったか忘れたがマレーシアからの留学生が合気道部にいて、その彼がとても力が強くて体の転換がうまくいかないことがあったのだ。その際に阿部醒石先生が指先から導くこと、相手が導かれてきたら相手の肘に自分の肘を重ねて制するということをご指導いただいた。私の体の転換はこの時の阿部先生の教えの延長線上に今もある。
諸手持ち呼吸法
最初転換しての呼吸法を稽古していたのだが、私が途中で口出していたので送り足での呼吸法に変わってしまった。中途半端なことを言って申し訳なかった。
この稽古は受けを後方に投げる技であることから、後方に投げる時に身体も振り返ってしまうことがある。これはどこで稽古しても見かける。
振り返る動作をすると、いったん相手と合わせた力の方向が「ずれて」しまいがちになる。ずれさせずに導ければ投げることはできるが、そうでないと腕の力で投げることとなってしまうので相手によっては難しいことになる。自分は相手と合わせたらそのままの体勢で後方に投げる稽古をするので、それを伝えたかった。稽古している人数が多いとぶつからないように後ろをみることはあるけど、投げるために振り向くことはない。
これは齋藤守弘先生、齋藤仁浩先生に教わったが、最初にわかりやすく教えていただいたのは天之武産塾合気道道場の小野健次師範だった。大阪府立大学合気道部の十年ほど上の先輩で道場でお世話になったし、一時期齋藤仁浩先生を大阪に迎えての稽古会も主催いただいていた。
正面打ち入身投げ
投げる時に相手とぶつかっているので、どう導けばぶつかるところなく投げることができるのか、という話しをした。手のひらを上に、親指の方に導く、という話しをした。あとは導く方向は「受けの両足を底辺とする二等辺三角形の頂点」であるという話しを。
入身投げは自分もずっとうまくなかった。今稽古しているのは四十近くなって大田区合気道会で教わったことが大きい。
あと、話しはしなかったけど現役生が腰を落として技をしているのだけれど、踵が浮いているのを気にして見ていた。例えば入身投げで投げた残身の後方の足。前のめりになっているので踵が浮くのだ。送り足の運足で後方の足がついき常に安定した姿勢を取ることが有りたい姿。
今の若い子だと背が高くて腰高で重心が高めでもあるのでその点不利ということもあるだろうとおもう。例えばひとつ前の諸手持ちの呼吸法でも腰を落としただけで踵が浮いていた。もうちょっと歩幅を持った方が良いかもしれない。
馬込大久保製麺所の餃子の皮
浅草線西馬込駅から桜並木の方というか、円乗院や善照寺の方に歩いて行ったところに小さな製麺会社がある。十年ちょい前に馬込に来た時からその存在に気がついていて、小売りもされるのだがわりと最近まで実際に買ったことはなかった。
今では時々妻がうどんやラーメンを買ってきてくることがある。買い物は馬込の地元スーパーであるキタムラや駅前にあるオオゼキ、とにかく安いオーケーストアに行くのだが水曜日にパンが安い西馬込駅前の文化堂に行くこともある。途中にある大久保製麺所で買うようになったもので、土曜日が少しだけ安売りになっていることも知った。この安売りは意外と知られていない気がする。
ちなみに大久保製麺所、ほんとに小さな工場なので小売をやっていない時に通ると見過ごしてしまうぐらいだ。小売りをやっておられる時でこんな感じ。
有楽町駅前すぐに「北京」という中華料理店があって多分いちど行ったことがあるが、そこに麺を卸しているという話を買うときに聞かされたと妻が言っていた。中華店に入ると結構な確率で私はラーメンを頼むので、であれば多分それがこの製麺所の麺をいただいた最初だったかもしれない。
妻が「今日の夕飯何にしよう」と聞いた時、馬込図書館に自習に向かう間際の長男が「餃子は?」と提案してきた。今日は祝日だが大久保製麺所さんが開けておられるのをたまたま見ていたのでそういうと「じゃあ大久保製麺所で餃子の皮買ってきて。あと具を文化堂がキタムラで買ってきて頂戴」とおつかいを承った。大久保製麺所さん、ラーメンやうどんの麺だけでなく、餃子の皮も作っておられるのだ。
実は私が大久保製麺所さんで買い物するのは今日が初めて。小売りをされているといってもメインの業務ではないし、行ってみても誰もいない。声をかけても反応はない。入り口の左にインターフォンを押してしばし待つと奥様らしき方が出てこられた。餃子の皮をお願いすると「いくつですか?」と聞かれる。何枚入っているかおたずねすると「ええっとー……36枚か37枚かな」と仰るのでふたつお願いする。いくらだったか……四百いくらだった気がする。「丁度あります? おつりか……」と仰るのであわてて財布をさぐるとうまい具合丁度あった。良かった。レジがあるわけじゃないからそりゃ、丁度でお支払いしないと。次行くときも気をつけよう。
店先に大久保製麺所を紹介するポスターが貼ってあるのだがちょっと色褪せていて、ラミネートされたら良いのだが……などとおもって見ていた。多分「大田区商店街の情報誌」のサイトに載っている記事から作ったものだろう。
大田区商店情報誌おーたふる 蒲田・大森・調布の商店街を紹介します
メーカーさんが本業だからそんなに小売りが忙しくなるのも望まれないのかもしれないが、このポスター、もうちょっと使いどころがありそうな気がする。A2かA1、なんだったらA0サイズに大きくして目立つように貼ったらどうだろうか。
大久保製麺所の餃子の皮はしっかりと厚くて食べ応えがある。大変美味しくいただいた。
スポーツの現場でのコーチング
子供であれ大人であれ初心者の方にお教えするのは逆に自分にとって勉強になることが多い。自分もたいがい長いこと稽古させていただいているのでどうご説明してやってみていただくかということはだいたいすらすら出せるつもりでいるのだが、師範が指摘されるポイントが自分が考えている説明と違う観点のものであったりするとはたと考えてしまう。いったいどちらの説明が当人にとって響くのだろうか。
先だっても合気道の指導をコーチングという切り口で書いたが、スポーツや武道といった分野でコーチングの手法というのは確立されているのだろうか、それとも各競技や流派において優れた指導者のノウハウが蓄積されているに過ぎない状態なんだろうかとちょっと調べてみた。どうも後者のような気がする、というのは技術的な教本はあってもコーチングについて書かれた本はそれほど見当たらない。また分野もビジネス書や児童教育書はあってもスポーツという観点のものは少ない。どっちも通底するので分かれている必要はないのではないか……という考えもあるのかもしれないが例えば学校教育と一般のクラブチームなどの活動、社会人としての場というのは一定の住み分けがあって、互いの交流があまりなかったりするのを鑑みるとそれぞれの分野に特化したコーチングの体系があっても良いような気がする。
今回読んだのは水泳の平井
そもそもコーチングについてちゃんと勉強するのが筋な気がするがまずは取っ付きやすいとこからということで。コーチングに重要な資質は次のようなところになるようなので、これと武道やスポーツにおける実例を比較すると分かってくるのかもしれない。
「5つの資質」と呼ばれる傾聴、直感、好奇心、行動と学習、自己管理の各要素
『コーチング・バイブル(第3版)』 より
で、実際に読んでみたら(あ、これは共通することを平井さんは書かれているな)とおもうところがあった。
伝え方について
ところが、泳ぎの悪いところを修正し、より改良していこうとするときには、問題点を一つに絞らなければならない。そのポイントが複雑になると、泳ぎに集中できなくなって、修正することが難しくなるのだ。
たとえばクロール選手の場合、水に入るときの手の動きが悪かったとする。それを指導するときに、「手の親指側から水に入れろ」と伝えるだけの単純な修正ならわかりやすい。
ところが、本当はそのときにいちばん意識しなければいけないのが、肩の動きであるケースもある。手だけの修正では、本質的な問題解決にならないのだ。その場合、どう伝えれば効果的なのか。
『見抜く力―夢を叶えるコーチング 』 「ワンポイントで伝える」の章より
一回の稽古で伝える要点はなるべくひとつにしたほうが良いとは、子供との稽古であれ大人とであれいつも意識している。例えば稽古を始めて間もない方で足が揃って立ってしまっていたりするのが見えたとしたら「きちんと半身を取る」ということだけを短い稽古のなかでは言うようにする。
さらには冒頭に書いたようなことで、自分が思っている「ここを直したら良くなる」ということが相手にとってすっと入る指摘かどうかまで考える必要があって、自分が思いついた指摘と師範が授けて下さった指摘の両方を話せば良いというようなものではない。そこも意をおかなければならない。
「5つの資質」でいうと傾聴、直感、行動と学習あたりがここに関係してくるだろうか。
人間の基礎のしての礼儀
国体や国際大会といった公式試合に出場する選手の中にさえ、挨拶がいいかげんだったり、人に対してきちんとしたお礼が言えないような選手がいる。
またプールの中でも、思ったような記録が出なくて、タッチ板を殴りつけた選手もいるし、練習中に波があって泳ぎにくいとか、他の選手の手が当たったから泳げなかったなどと、自分の成績が伸びないのを環境のせいにしたり、人のせいにしたりする選手もいる。そういう人間は、問題の本質から逃げることになれているので、結果伸びない。
『見抜く力―夢を叶えるコーチング』 「成績より、人間を見よ」の章より
ことに子供については、技よりも礼や挨拶、姿勢のとりかたなど立ち居振る舞いについて教える方がよっぽど大事だと考えている。今までも何度かそんな主旨のことを書いたことがある。いつか道着には袖を通さなくなるかもしれないけれど人生のどこかの場面で道場で教わった振る舞いが役に立てばお父さんお母さんが月謝を払った価値はあったということになるのではないかと。
オリンピックでメダルを狙うぐらいのトップレベルの選手をみるコーチが「やっぱり成績さえよければ良いなんてことは成立しなくて、人間としてきちんとしていなくてはだめだよ」という主旨のことを言われているのは重たい意味を持っている。世界は広くて人間としては問題があるけれどその分野においてはすごいという人間はごくまれに居るのだろうが平井さんの書かれているようにほとんどの場合結果を残さずに終わるのではなかろうか。さらに稀な例としてなんとなく野球のタイ・カッブや清原和博、ボクシングのジョン・L・サリバンを思い出しているのだが、範とすることが甚だ難しい。
こういった人間の基礎としての立ち居振る舞いというものはコーチングという切り口ではどう扱われるのだろうか。法律の前提となる信義則のようなものな気がするが理解できたときにはまた書いてみよう。
反ポピュラー路線の群馬みやげ
高崎には行きは新幹線の自由席で行き、帰りは高崎線快速で帰ってきた。日帰りだからあまりゆっくりもできないが少し時間をとってまちを歩いた。みやげものは結局駅に入っている店舗で買っていった。
高崎、というか群馬でみやげというとかなり最初の段階でハラダのガトーラスクが挙がってくるが今回は最初から候補から外していた。理由は単純で、すぐ近くにある川崎ラゾーナ1階の専門店コーナーにハラダが入っていてその気になれば買いにいけるからだ。
ということで買って帰ったおみやげを並べてみる。
みそパン
北関東から東北にかけてみそぱんというものは存在するのかなぁとなんとなく思っている。福島郡山に何度か行ったことがあるが、駅ホームでもみそパンを売っているがこれは記事に味噌を練り込んだと思われる結構甘い蒸しパンである。
高崎駅の改札の向かいにある綺麗なみやげもの店をまわっていたらみそパンがあったので迷わず翌日の家族の朝食にと買った。県内沼田市にあるフリアンパン洋菓子店というお店のパンであるとのこと。
そんなに固くなく焼いてあるフランスパンをカットして、味噌のペーストを挟んである。しっかり味噌の味があり、甘過ぎず良い感じだった。
煉瓦の小径
群馬といえば蒟蒻の国内最大生産地。玉蒟蒻もあればこんにゃく畑みたいなデザート商品もあるんだけどなんかひねったものはないかと見て回っていたらあった。
いわゆるデザート商品できな粉とチョコレートソースがついている。これひとつしか買って帰られなかったのだけれど子供達はおいしいおいしいと食べていて、ご近所にあげるのに買ってきてもらっても良かったと妻にはあとで言われた。なにしろこれ価格がお手ごろで、200円程度のものなのだ。株式会社アイエー・フーズという富岡市のメーカーの商品。これはちょっと良いおみやげ品をみつけた気がしている。
ねぎ塩せんべい
これはありがちなみやげもの。ねぎ塩せんべいと焼きまんじゅうせんべいがあった。長登屋という会社がつくってるものだがこの会社、名古屋が本社で全国各地のその地方のおみやげを企画販売する拠点を持っている。この商品も利根郡みなかみ町にある拠点の企画商品らしい。結構塩味の強い、食べやすいサイズの煎餅だった。
ぬれやき煎
改札に入ったなかにあるコンビニエンス・ストアで瓶の軽井沢ビールと一緒に急いで買ってきた。結局おつまみとしてはいただかず家まで持って帰ってきた。ちなみにビールは高崎線車内で普通にいただいて帰った。在来線で瓶ビールを飲んでいる中年はなかなか痛々しいがどうか赦してほしい。小旅行の気分だったのだ。
つるまい本舗という沼田市にある和菓子メーカーの品なのだがこのつるまい本舗、マツザワグループという企業グループの一員である。マツザワというのは長野県下伊那郡にあるおみやげ品の企画・製造・販売をする会社で、要は長登屋と同じくおみやげに特化した広域の企業グループの商品を買ったことになる。本当は地元の人が知っている美味しいもの、とかの方が面白いんだけれどなかなかそううまくは見つけられない。
なお「正田醤油使用」とあるが館林にある明治初期創業の醤油メーカーさんとのこと。正田醤油の商品もあったはずだが、醤油というのが結局地元のが一番となるもので、我が家ももっぱら萩市のマルオカ醤油を妻の実家から送ってもらっている。そちら方面には手を出さなかった。
うどん
おまけ。
駅につくまえにイチカワというスーパーマーケットに立ち寄った。結局ペットボトルの飲み物を買っただけだったのだが、あとで「あれ買っておけば良かったな」と思ったものがあった。うどん。群馬もうどんの名産地なんだということにあとで気が付いた。
地元のメーカーさんのうどんやほうとうが置いてあったのをどうしようかと迷って買わなかった。みやげもの店にもうどん置いてたけど普通に近所のひとが買う感じのうどんの方が良いよな……と結局買わなかった。今度群馬に行く時には買って帰ろう。
2016年の国際合気道大会 - 多田宏師範
10月1日の国際合気道大会の稽古、4コマ目は多田宏師範だった。多田師範の稽古に参加するのもはじめて。現在の合気会最高段位者だ。
菅沼守人師範の稽古と違い、多田宏師範は自らもマイクを持って説明された。英語に訳す担当のお弟子さんも別の方。全体的に参加者がグローバルだという場においての稽古の進め方がスタッフ全体として準備されている感じだった。「多田先生の稽古だぞ、ぴしっとしろ!」という無言の意図が関係者のなかで強く持たれている感じ。
なのだけれど多田師範がものすごく喋られる。限られた時間でこれだけは伝えようとする意図がそうさせるのかものすごく喋られる。通訳を挟む隙を与えないほど喋られるので結果的に日本語圏以外の稽古参加者が顔を見合わせ始めるという事態が起きたりした。我に返って通訳を促される。時々「その訳本当に合ってる?」みたいな顔を多田師範がされて笑いが起きたりする。
その説明の大半は技にではなく、呼吸法の説明と実践に費やされた。「あ」「い」「う」「え」「お」の声にあわせて呼吸をする。手を挙げながら息を吸い、吐きながらおろしていく。このやり方の説明を伺いながら西野流呼吸法を想起していた。
多田師範は佐々木将人師範や藤平光一師範とおなじく中村天風先生に師事しているからそこからの影響もある。山岡鉄舟先生門下の小倉鉄樹先生からはじまった一九会にも参加されておりそこでも祝詞と呼吸法の稽古をされたということだからその影響もある。現にお話のなかで植芝盛平先生、中村天風先生、一九会の日野正一先生のお名前をあげて説明をされていた。一方で西野皓三さんは合気会で稽古されたのと大気拳の澤井健一師範に師事していて、かつご自身のバレエダンサーとしての経験もあって西野流をつくられていると理解していて系統は違うはずだが、合気道以外でもどこか遠いところで共通点はあるのかもしれない。
Aikido Demonstration - Hiroshi Tada - 12th IAF Congress (2016) [Aikikai]
阿部醒石師範も呼吸については普段から話されていたし稽古にも含まれていた。阿部先生は禊から来ている呼吸でヨガの技法とはまた違う呼吸法であったと理解している。呼吸法について、その形ではなく呼吸が魂魄を統合する鍵となるのだという意味あいで、合気道の稽古において常に必要な部分なのだということではないだろうか。翌日の大田区合気道会での稽古のあとで高崎に稽古に行ってきました、という話しをした時に「多田先生は呼吸法をされましたか? あれは必要なものなんですよね……」という話しになって、呼吸法の重要性はひろく認識されていると改めて確認したのだけれど。
この日は誰とも会わないかなとか思っていたが都内の合気道仲間とも話しが出来たし、大田区合気道会で一緒で、今は勤務先が群馬の方で荒井俊幸師範の道場で稽古されている方が私をみつけて下さってしばし話しが出来た。稽古が終わって17時半。着替えて18時。19時台の在来線でも馬込に戻れるので高崎のまちなかをぶらぶらと歩いて帰って行った。
この年の国際合気道大会のこと
2016年の国際合気道大会 - 菅沼守人師範
大田区合気道会での稽古では尾崎師範の指導でかなりしっかりと準備運動をしてから稽古をするのだが、先日普段にも増して準備運動について時間を割いて説明をいただいたことがあって、その際最後に「これが植芝盛平翁先生のころからの準備運動をやっているもので、これを今もやっているのは他では九州の菅沼守人師範だけではないか」ということを話されていた。大田区合気道会だとざっと書き出しただけで、これだけのことをする。
- 跳躍
- 屈伸
- 伸脚
- 回旋
- 体側
- 足首を回す、足裏を叩く、足指を曲げる、土踏まずを押す、脹脛を押す、足首を振る
- 腕を回す
- 腕振り
- 耳をマッサージ
- 首を回す
- 真向法
- 手首の運動
10月1日に参加してきた国際合気道大会、午後最初の稽古はその菅沼守人師範に指導いただいた。そこでも準備運動について、翁先生の稽古のそのままをやっているということをご本人がお話しされるのを聞くことができた。
Αikido Shoheijuku Warmup Exercises
Shoheijuku Morito Suganuma Improving the circulation exercise
ところで菅沼師範はマイクを持たずに説明されたのだが午前にも増して人が多く近づけないためよく聞き取れなかった。英語に訳する女性はマイクで話されるのでその英訳を聞いてなんとなくお話しを推測するが若干訳に難があったようだった。また人だかりで菅沼師範の技も見れないので手探り。
小手返しの時に稽古させていただいた方、青帯でいらしたが "I couldn't see what Sensei has explained" 的なことを言われたのでにっこり笑って "Me too" というと一瞬困った顔をされた。ただ「おそらくこの技をされたのではないか」というのを小手返しでふた技、片手を取りに来るのを導く入り方と早取りでご説明すると結果的に喜んでいただけた、なんてことがあった。手探りもよいところだが、良かった。
途中で広い稽古場のあちこちで菅沼師範が指導下さり、そのたびに人だかりができる。私の近いところで説明いただいたところがあって、受けを取らせてもらいたいなと思っていたが叶わず、友達が技をかけて指導いただいていて羨ましかった。技の説明動画を探す場合、植芝盛平翁先生や吉祥丸前道主、守央現道主であったり、齊藤守弘師範の演武にいきつくことが多いのだが、それに次いで多いのが菅沼師範の演武動画で、稽古に参加させていただくだけでも嬉しいことだったが、やはり直接技をかけていただくと残るものがある。
Shohei Juku Aikido - Suganuma sensei (Part 1)
この年の国際合気道大会のこと
2016年の国際合気道大会 - Cristian Tissier 師範
9月27日から10月2日までの6日間、国際合気道大会が群馬県高崎で開催された。最終日の10月2日 は植芝守央道主指導の稽古があるのだが勤務要件が入ったため1日の土曜日に参加してきた。この日は青山会の宮本鶴蔵師範、フランスのクリスチャン・ティシェ師範、祥平塾の菅沼守人師範、多田塾の多田宏師範の稽古があるのだが当日移動のため最初の宮本師範の稽古には間に合わず、ティシェ師範の稽古から参加させていただいた。今年の東京都合気道連盟の指導者講習会で宮本師範の稽古には一度参加させていただいていたことを受けてのずぼらだった。
会場の高崎アリーナは高崎駅から歩いて10分かからないぐらいの線路沿いに新しくできた体育館のようだった。行きの新幹線から見えたので特に迷うことなくたどり着けた。本当にできたばかりに市民の方向けの内覧会をやっていて、私は裏側の玄関から入ってしまったため案内の方に内覧にきたひとと間違われたりした。多少は余裕をもってついたのだが今回のように大勢の参加者を想定していないらしくロッカーの数が足りないので迷ったりあれこれして結局ティシェ師範の稽古には少しだけ遅れて入ることとなってしまった。荷物は全部会場に持ち込んで稽古開始。
Crintian Tissier 師範はパリ出身。説明は英語でしていただいていた。日本語訳はなし。
前に国際合気道大会に行った時にも感じて進歩していないのが情けないが、ティシェ師範の説明も三割ぐらいしか分からない。稽古していただく他の参加者の方の英語も二・三割しか分からないし分かったことに対して返そうにもうまく伝えられない。日本語を話す若い方にも「ここはこうやった方が良いと思いますよ」と意見されたりしてまぁ、こういう場に行くと遠慮しないので結果として叩き返されるいつものパターンになっていたりした。
ティシェ師範はこの稽古では一教や二教を主に指導していただいた。拙い私の理解では、どのように相手とぶつからずに接し技にしていくのかということを繰り返し説明されていた。例えば正面打ちを合わせる時にガチっとぶつかるのではなく線をずらして入ってすっと一教なり二教に導いて抑えてしまう。自分の大勢は崩れず、相手が自分の動きに巻き込まれてしまうようにする。
あと交差持ちからの動きだっただろうか、「ここで止まるんじゃなくて、このまま上に私は行きたいんだ。分かるかな」というような説明を繰り返しされていた。技が始まってから最後まで滑らかに止まることがない。受けが誰であれあのようにできるのが本当の力だなとおもってみていた。
お話しのなかで山口清吾師範の名前を出されたのは聞き取れた。そのあたりのお話しがちゃんと全部聞き取れて理解できるのが良いのだけれど。
過去のティシェ師範の指導動画をみながら同じ説明をされているところがないかな……と探すなどしている。国際合気道大会の動画は公開されるのだろうか。当日は稽古中の写真、動画の撮影は須らく禁止されていたが。
Aikido: Christian Tissier - Ikkyo
Christian Tissier Shomen Uchi Nikyo omote ura